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目次][解説抄録

『隷属なき道』がベストセラーになるなど、近年ベーシックインカムが注目を集めている。

ウーバーイーツやアマゾンなどの配達のような、請負関係に基づいたギグワークが増えてくる中で、雇用関係に紐付いた社会保障の責任を回避できるようになり、十分な保障を受けられない人が増えてきた中で、年齢や収入、保有資産を問わず一定額を定期的に給付するベーシックインカムの関心が高まってきた。さらにコロナ禍による一時的な収入減に対し無条件の給付を行った国は日本以外にも多く、その必要性は広く意識されているが、未だ継続的に実施している国はない。

本書は、韓国におけるベーシックインカムの議論をリードする研究者たちの成果の集大成である。韓国は、2017年大統領選における候補者たちの公約にベーシックインカムが上がり、昨年の国会議員選挙ではベーシックインカム党から国会議員も出るなど、具体的な導入に向けた動きが見られる。

韓国そして全世界の、これまでのベーシックインカムに関する議論・事例をまとめつつ、日本と似た社会保障制度を持つ韓国において、どのように既存の制度との整合を取りながらベーシックインカムを導入していくべきかを検討、さらに実現のためにどのような運動が必要なのかも追究している。

加えて本版で収録した金成垣氏の解説は、韓国、そして日本の社会保障制度における共通の欠陥と、制度発展の違いを指摘しながら、ベーシックインカムが抱える理論的な困難にも触れる。
日本においてベーシックインカムの議論をする際の必携書となろう。

書名 ベーシックインカムを実現する
──問題意識から導入ステップ、運動論まで─選挙争点化された韓国で進む議論
金 教誠 著
白 承浩 著
徐 貞姬 著
李 承潤 著
木村 幹 監訳
李 涏美 訳
出版年月日 2021/10/06(仮)
ISBN 9784561963189
判型・ページ数 A5判・312ページ
定価 定価4000円(本体3636円+税)