3つの切り口からつかむ 図解中国経済
三尾幸吉郎 著

[内容説明・著者紹介]
[目次]
[はじめに]

[梶谷懐神戸大学大学院教授推薦文]

 とかく、中国経済について論じたり、本を出したりすることには特有の難しさが伴う。とにかく変化がめまぐるしすぎて、同じ内容の本でもどのタイミングで出すかによってその社会的な意味合いが大きく変わってしまう、ということもしょっちゅうだ。現代中国をめぐる情勢は「不確実性」に満ちており、そのことが語り手の主観や政治的立ち位置、さらには非理性的な「感情」によって、中国経済の見方が左右されるという状況を長らく生み出してきた。

 そんな中、長年実務家として中国経済をウォッチし続けてきた著者による本書は、徹底して「データに語らせる」という姿勢を貫きながら、中国経済のさまざまな側面をほぼ網羅的に論じている、あまり類書のない書籍だ。本書は三部構成になっており、最初はよく知られたテーマやキーワードに関する基礎知識が豊富な図表を使って分かりやすく解説される。だが、本書の眼目は第三部の「中国経済深層分析編」だろう。「中国は債務危機に陥るのか?」といったテーマ別ごとに、著者の中国経済ウォッチャーとしての経験に基づく、読み応えのある論考が並んでいる。特に米中の貿易戦争に関する分析は中国経済の現場をよく知る著者ならではのリアルなもので、著者としても大いに参考になった。

 本書は、不確実に満ちた中国経済に関する心強い水先案内人として、初学者から専門家まで幅広い層に役立つ一冊だと言えるだろう。

三尾 幸吉郎 著
出版年月日 2019/08/26
ISBN 9784561923046
判型・ページ数 A5・288ページ
定価 本体2315円+税