内容紹介][吉崎達彦氏 解説抄録][高口康太氏書評

まえがき
謝辞

第1章 中国が重要な理由

  • なぜ中国経済に関心を持つべきなのか
  • 中国経済はどのくらい成長したのか。それは一般の人々にとってどんな意味があるのか
  • 中国はどうしてそれほど急速に、かつ長期間成長できたのか
  • 中国の成長はどんな影響を及ぼしているか。その影響はプラスかマイナスか
  • 中国の台頭はどのように地政学に影響してきたか

第2章 中国の人口と地理、歴史

  • 中国の大きさと人口は経済にどう影響しているか
  • 中国の地理は経済にどのような影響を及ぼしているか
  • 中国の長い歴史が経済にどのように影響しているか

第3章 中国経済の政治とのかかわり

  • 中国の政治システムはどうなっているのか
  • 中国の一党支配はどのようなものか
  • 中国はなぜ他の権威主義国家と異なるのか
  • 中央政府と地方政府の権力バランスはどうなっているか
  • 中国は他の共産主義国の失敗から何を学んだか
    中国は近隣の東アジア諸国から何を学んだか
  • 誰が経済政策を主導しているのか
  • 経済成長と政治的な統制のトレードオフはどう対処されているか

第4章 農業と土地と農村部の経済

  • なぜ農業が重要なのか
  • 1980年代の中国の経済成長に、農業はどのようにはずみをつけたのか
  • 1980年代と90年代前半に、郷鎮企業は中国の経済発展でどんな役割を果たしたか
  • 都市と農村の格差は、なぜ1989年以降拡大したのか
  • 都市と農村の格差の問題に2000年代の政府はどう対応したか
  • 中国の農民は土地を所有しているか
  • 農地の権利改善のために何が行われているか
  • 中国は食糧を自給できるか

第5章 産業と輸出とテクノロジー

  • なぜ中国は巨大な工業国・輸出国になったのか
  • 中国の産業開発戦略はどのようなものか
  • 鄧小平の産業政策はどのようなものだったか
  • 江沢民と朱鎔基の下で産業政策はどう変化したか
  • なぜ胡錦濤政権では産業政策が国家統制主義的になったのか
  • いつからハイテクを重視するようになったのか
  • 習近平政権では産業政策はどのように進化してきたか
  • なぜ外国企業からの投資がそれほど大きな役割を果たしたのか
  • 中国は「ズルをする」のか
  • 「産業政策」はどこが成功し、どこが失敗したか
  • 中国の産業界はもっとイノベーションを起こせるか

第6章 都市化とインフラ

  • どのくらいの速度で中国は都市化してきたか
  • 都市化と経済成長はどう関係しているか
  • 中国の「部分的な都市化」の問題とは何か
  • 中国の「戸口」制度とは何か。どんな影響を及ぼしているのか
  • 戸籍制度の改革はどのように進められているか
  • 都市部の住宅私有化はどんな影響を及ぼしたか
  • 中国住宅市場は持続不可能なバブルなのか
    中国の2層の住宅市場からはどんな問題が生じるか
  • なぜ中国は多くのインフラを建設するのか
  • インフラはどのくらいが有用で、どのくらいが無駄だったのか
  • 「新型都市化計画」とはどのようなものか

第7章 企業システム

  • 国有企業と民間企業ではどちらがより重要か
  • 1980年代と90年代の国有企業改革の狙いは何だったか
  • 中国の国有企業は日本の系列や韓国の財閥と似ているか
  • 国有企業はどのように組織されているか
  • 国有企業集団はどのような構造になっているか
  • 1990年代の国有企業改革プログラムには、どんなインパクトがあったか
  • 2008年以降、国有企業の改革はどのように進んできたか
  • 国有セクターの規模は現在どのくらいか
  • 国有企業は独占企業か
  • 中央政府の国有企業は自由にふるまえるのか。あるいは政府の計画の実行役なのか
  • 民間セクターはどの程度重要か
  • 民間セクターはどのように発展してきたか
  • 国有企業の力が増し、民間企業の力が弱まっているというのは事実か
  • 今後、国有と民間のバランスはどうなりそうか

第8章 財政システム

  • なぜ財政システムを理解することが重要なのか
  • 中央政府と比較して、地方政府はどのくらいの力を持っているか
  • 分権化は経済発展にどのような影響を及ぼすか
  • 1994年の税制改革にはどんな意義があったのか
  • 土地を活用した地方政府の資金調達はどのような仕組みか
  • 政府の負債はどれほど大きな問題なのか
  • 中国政府は財政の課題をどう解決しようとしているか
  • 財政改革は中央と地方の関係や経済開発にどのような影響を与えるか
  • 政府はどんな税金を課しているか
  • 政府の税金の使い道はどうなっているか

第9章 金融システム

  • 中国の金融システムにおいて、銀行の役割はどう変わってきたか
  • 「金融抑圧」は中国の成長にどのような役割を果たしたか
  • 「シャドーバンキング」が伸びた背景には何があるか
  • なぜ中国政府はシャドーバンキングを規制したのか
  • 金融規制は今後どうなるか
  • 債券市場はどんな役割を果たしているか
  • 中国の株式市場はどう発展してきたか
  • 中国が金融危機に陥るリスクはあるのか
  • なぜ中国は為替レートを厳しく管理してきたか
  • なぜ中国は人民元を国際通貨にしようとしているのか
  • なぜ人民元の国際化は滞っているのか

第10章 エネルギーと環境

  • 中国はどのくらいのエネルギーを使っているのか
  • なぜ中国のエネルギー強度はそれほど高いのか
  • 中国はどのようなエネルギーを使い、その構成はどう変化しているか
  • 中国はどの程度輸入エネルギーに依存しているのか
  • 中国のエネルギー利用は、気候変動にどのような影響を及ぼしているか
  • 中国の環境汚染はどれほどひどいのか
  • 環境・気候問題はどのくらい改善されそうか
  • トップダウンによる環境問題の改善はうまくいくか

第11章 人口構成と労働市場

  • 「人口ボーナス」とは何か
  • 人口ボーナスは中国にどんな影響を及ぼしてきたか
  • 中国の「人口転換」はどう進むのか
  • 高齢化は労働力と経済成長にどんな影響を与えるか
  • 一人っ子政策は何のために行われたのか
  • 中国の労働者はなぜ農村部から都市部に移り始めたのか
  • 国有企業改革は労働市場にどんな影響を与えたか
  • 失業はどのくらい大きな問題なのか。賃金は上昇しているのか
  • 「ルイスの転換点」とは何か。中国にとってはどんな意味があるか
  • あとどのくらいの労働者が農村部から都市部に移るのか
  • 中国の労働環境はどれほど厳しいのか。改善する可能性はあるか

第12章 興隆する消費者経済

  • 中国の成長は「不均衡」なのか。それは重大な問題なのか
  • 中国の「不均衡な」成長は消費者にとって良くないものだったか
  • 中国経済では個人消費の割合が低いのはなぜか
  • 中国の「中間層」はどんな人たちか
  • 「中間層」の規模はどのくらいか
  • 中国の消費者は何を買っているか
  • 中国の「セーフティネット」はどのくらい整備されているか
  • 政府はどんなセーフティネットをつくろうとしているのか
  • 消費を促進するために、政府はどんな政策を取るべきか

第13章 格差と腐敗

  • 中国の所得格差はどの程度ひどいのか
  • 所得格差の原因は何か
  • 所得格差が縮小する可能性はあるか
  • 中国の汚職問題はどのくらいひどいのか
  • なぜ汚職で経済成長が止まらないのか
  • 習近平の反腐敗運動は真の解決策となっているか
  • 格差の拡大と汚職が社会の混乱につながっていないのはなぜか

第14章 成長モデルを変える

  • なぜ中国は成長モデルを変える必要があるのか
  • 中国の成長モデルはどのように変わる必要があるか
  • 中国の成長が「不均衡」とはどういう意味か
  • 中国経済の不均衡は2000年代初期にはどう進展したのか
  • 2008年の世界金融危機はどんな影響を及ぼしたか
  • なぜ生産性の向上が減速しているのか
  • 習近平はどのように経済を運営してきたか
  • 3中全会の決定とは何か
  • 「中国製造2025」とは何か
  • 供給側構造改革とは何か
  • 金融リスク削減の取り組みにはどんな効果があったか
  • 中国の成長モデルは変化しているのか
  • 政治改革を行わずに経済改革は実現できるか

第15章 中国と世界:対立は不可避なのか

  • 現代世界の政治・経済秩序はどのような性質か
  • 中国経済がもし世界最大になったら、その時には何が起こるか
  • 中国の経済の強さは国際的な影響力に変換されるか
  • 習近平は中国の国際的な位置づけをどう変えたのか
  • 「一帯一路」構想とは何か
  • 中国は技術における世界的リーダーの座にどのくらい近づいているのか
  • 中国は自分たちのルールと組織で、世界のシステムをつくり直そうとしているのか
  • なぜ米国の対中政策は変化したのか
  • 世界秩序における中国の今後の役割は何か

もっと学びたい人のために
索引
解説 双日総合研究所チーフエコノミスト 吉崎達彦

著・訳者・解説 アーサー・R・クローバー 著/東方 雅美 訳
/吉崎 達彦 解説
出版年月日 2023/06/16
ISBN 9784561911401
判型・ページ数 A5・408ページ
定価 本体2727円+税