日本では、同族企業とも言われるファミリービジネスに対し、あまり印象が良くない。しかしながら、創業100年を超える長寿企業が極めて多く、全世界の約35%を占めるほどであり、その多数がファミリービジネスである。海外でファミリービジネスは、地域経済への貢献などに誇りや自覚を持って運営されているため、日本人が驚くほど高い評価がなされており、中国やASEAN諸国から日本へ、その経営戦略や事業承継を学びに来るほどである。

それを受け、わが国でもファミリービジネスへの関心が高まりつつあり、今世紀初めから学術的な研究も進んできている。その一方で少子高齢化や事業承継の難しさから廃業に迫られるファミリービジネスも増えており、今後、日本の産業基盤を損なう可能性まで指摘されている。

本書はこのような状況の下、企画された白書であり、上場しているファミリービジネスの経営分析や、ファミリービジネスのガバナンスの研究を行っている。

学術的な水準は維持しつつ読みやすさにも配慮し、研究者だけでなく、ファミリービジネスの当事者や関係する実務家にも有用な資料やデータ、分析が詰まっており、長寿ファミリー企業の、企業や社員を牽引する目に見えない力を自らのものとするきっかけともできよう。

[本の目次]
はじめに
第1章 ファミリービジネスの概要
第1節 上場ファミリービジネスの現況
第2節 ファミリービジネスの定義
第3節 ファミリービジネスの主な環境要因
第2章 上場ファミリービジネスの経営分析
第1節 ファミリービジネスの比率と変動
第2節 財務業績
第3節 ファミリービジネスと株価パフォーマンス
第4節 経営者属性と財務業績
第5節 業種別動向
第3章 ファミリービジネスのガバナンス
第1節 ファミリービジネスのガバナンス
第2節 ファミリービジネスの事業継続能力とガバナンス
第3節 ファミリービジネスの内部対立と企業価値の棄損
付録1 上場ファミリービジネスの業績:総括
付録2 上場ファミリービジネスの業績:業種別

書名 ファミリービジネス白書【2018年版】
100年経営とガバナンス
著者・訳者 ファミリービジネス白書企画編集委員会 編
後藤 俊夫 監/落合 康裕 企画編集
荒尾 正和 編著/西村 公志 編著
出版年月日 2018/05/16
ISBN 9784561267126
判型・ページ数 A5・300ページ
定価 本体3,500円+税
出版社 白桃書房